税理士は儲かる儲からない?

税理士の仕事内容

税理士とは、税金のスペシャリストです。クライアントは、フリーランスや中小企業、大企業まで多岐にわたります。

仕事の内容を簡単に言えば、企業に対して税金に関するアドバイスや実務サポートを行うことです。

フリーランスや企業など、なんらかの事業により利益を得た場合、所得税や法人税、消費税などの税金を納税する義務が発生します。

クライアントは税金の素人なので、きちんと納税できるようにサポートするのが税理士の仕事です。税金の知識を生かして、時には節税のアドバイスをすることもあるでしょう。

税理士の業務は、アドバイス業務と書類作成などの実務業務に大別できます。

アドバイス業務とは、税金の計算や節税に関してなど、クライアントからの相談に応えることです。税金は、申告の方法によって控除の対象になったり、逆にならなかったりします。そのためプロの意見が参考となるのです。

実務業務には、クライアントの代理として税金の申告を税務署に対して行う業務があります。確定申告の書類など、税務関係書類の作成を税理士が行うのです。

他には会計処理の代行や各種書類の作成、贈与税や相続税の節税・納税対策もサポートします。

税金対策はもちろん、財務面のアドバイスを行うこともある税理士は、企業にとってのパートナー的存在ともいえるでしょう。税理士の目的は、会社にお金を残すことや、融資を獲得すること、会社の金融体質を改善することです。また税務調査が行われたときには、顧客側の立場になり調査に協力することもあります。

税理士の仕事は儲かるの?

税理士は、日本税理士会連合会の名簿に登録しなくてはなりません。その登録者数は、平成30年10月末の時点で7万7千人程度といわれています。

税理士は、会計事務所などに所属しているか、独立していることが一般的です。独立している税理士のなかには、年収1000万円を超えるケースもよくあります。しかし一方では、年収が300万円以下の税理士がいるのも事実です。このように税理士の年収には幅がありますが、平均年収は900万円程度だといわれています。

つまり税理士が儲かるか儲からないかは、個人差によるところが大きく、一概に言えません。しかし、一般的には独立している税理士の方が、収入も大きくなる傾向があります。税理士が独立を目指す場合、実務経験が5年から10年程度は必要です。

税理士が儲からないと言われる理由

そもそも税理士になるには、大学や短大、専門学校に通うことが一般的です。そこで法律や経済を学びます。その上で、日商簿記検定試験を受験して1級を取得するなどして、受験資格を手に入れる必要があるのです。受験資格を取得したら税理士試験に挑戦して合格しなければなりません。

税理士は、士業の中でも独立開業しやすいと言われています。また社会人でも資格が取りやすいといわれており、人気の職業でした。その反面、儲からない仕事として税理士がクロースアップされています。

原因のひとつは、インターネットの普及です。インターネットが普及したことによって、それまで不透明だった顧問料が均一化されました。税務に関する情報も共有されることで、それまで専門知識だった税知識が、一般化されたのです。

またインターネットを介して、無料のクラウド会計ソフトなどが誰でも利用できる状況となりました。中小企業やフリーランスで働く人は、自力で申告書類を作ったり税務処理を行ったりします。そのため、税理士に依頼することが少なくなったのです。

これらの要因が重なり、税理士の需要が低くなったため、儲からない職業と言われています。

若手の税理士は儲からない?

税理士の業界では、若手と呼ばれる30代前後の世代が、特に儲からないといわれています。なぜなら、高い顧問料を支払う良質のクライアントは、シニア世代が掴んで離さないからです。そのため優良顧客が若手に回らず、新規顧客獲得に苦労します。

これは、クライアントである経営者の心理が大きく作用しているのです。企業の経営者にとっては、会社の重要な財務状況を、新参者の税理士に見せること自体に、抵抗を感じます。会社の経営状態は、あまり外部に知られたくはありません。そのため、昔から馴染みがあるシニア世代の税理士に頼る傾向があります。

新しく税理士を雇うことになったとしても、このような心理が働くため、全く面識のない税理士を新規で雇うより、付き合いのある税理士から紹介される方が通例となっているのです。

そのため若手の税理士が顧客を得るためには、シニア税理士からの紹介を受けなければなりません。紹介を受けるために、稼ぎにならない雑務でも率先して行わなければならない現状があります。

また税理士には定年がありません。働こうと思えばいつまででも働けます。事実、100歳を超えても税理士として活躍している人もいるほどです。

定年がないということは長い間稼げるというメリットにつながります。しかし一方では、高齢のシニア税理士が、顧客を囲ってしまうことも問題視されており、若手が成長できないというデメリットにもつながるのです。

つまり、一度優良な顧客をクライアントに持つことができれば、末永く安定して稼ぐことができるけれども、新たに参入するのは難しいのというのが、税理士業界だといわれています。

税理士の将来性

税理士という職業に将来性はあるのでしょうか。その答えは人によってさまざまです。

例えば今後台頭してくると予測できる、AIなどの人工知能。これらが発展すると、税理士の仕事は失われてしまうと危惧する声があります。ここでいう税理士の仕事とは、税務申告書の代行業務や簿記・会計に関する事務業務のことを指しているのです。これらの業務は税理士の中心的業務であり、人工知能(AI)が参入することで、仕事を奪われると考えられています。

確かに税理士の能力は、人工知能(AI)の能力と似ている部分があるのです。例えば複雑な計算を得意とする税理士ですが、このような情報処理能力はコンピューターのほうが優れています。

また税理士の作業は、単純作業が多いものです。これも人工知能(AI)などコンピューターの方が、適しています。

今後、人工知能(AI)などを取り入れた会計ソフトが発展すると、企業の経営者は税理士に依頼せず、こうしたシステムを利用すると考えられているのです。

このような状況の中で税理士が生き残るためには、いくつかの対策案が考えられます。

まずは人工知能(AI)などのシステムを、使う側に回ることが重要です。たとえ今後人工知能(AI)などの最新技術が発展したとしても、それを使うのは結局人間であることにかわりありません。しかし中小企業を含めたすべての会社で、それらを扱えるエンジニアやプログラマーを雇うことは不可能でしょう。

税理士がシステムを扱うスキルを身につけることができれば、税理士業務に取り込み作業を効率化できます。そうしてクライアントも獲得していくのです。

また人工知能(AI)などコンピューターが、不得意としている分野に注力して、特化していくことも効果的。そのひとつがコミュニケーション能力です。経営者にとって、会社の財務部分はデリケートな部分。綿密なコミュニケーションを重ねて、経営者から信頼を得ることができれば、仕事はなくなりません。

一口に税理士と言っても、それぞれ専門分野は異なります。これから需要が高まると予想できる分野に注力することも効果的です。たとえば、今後世界はグローバル化する方向にあるといわれています。そのため、国際的な税務処理に特化した税理士になることができれば、需要に応えられるため、収入が確保できるでしょう。

また同時に、日本では少子高齢化がいわれています。このような世相では、相続税に対する需要が増えると予測できるため、その方向に特化するのもよいかもしれません。

また、相続税や贈与税の問題は、人間関係も大きく関わる分野です。そのため、人工知能(AI)ではフォローしきれない複雑な心理を考慮する場面もでてきます。そのような場面でうまく立ち回ることができれば、税理士としての価値が上がり、仕事を失うこともありません。

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